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橘 幸男; 中川 繁昭; 中澤 利雄; 伊与久 達夫
Proceedings of 6th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operations and Safety (NUTHOS-6) (CD-ROM), 17 Pages, 2004/10
高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた安全性実証試験は、高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証するとともに、高温ガス炉の安全評価用解析コードの検証及び高度化に役立つプラント過渡データを取得することを目的として実施する。安全性実証試験は、運転時の異常な過渡変化を模擬する第1期の試験及び事故を模擬する第2期の試験からなる。第1期の試験は、反応度投入事象と1次冷却材流量低下事象の模擬であり、平成14年度から開始している。同時に、プラント動特性コードACCORD,モンテカルロコードMVP等を用いた解析を進めており、原子炉出力50%及び30%からの制御棒引抜き試験及び3台のヘリウム循環機のうち1台あるいは2台を停止する試験について、試験結果を良好に再現する結果が得られている。第1期の試験は平成17年度まで実施し、平成18年度から第2期の試験を実施する計画である。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 古澤 孝之; 橘 幸男
JAERI-Tech 2004-045, 67 Pages, 2004/04
高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証し、また第4世代原子炉(Generation IV)の候補の一つであるVHTRの研究開発に資するため、HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験が実施されている。安全性実証試験のうち、1次冷却材流量の低下を模擬した試験である循環機停止試験において、1次加圧水冷却器用ヘリウム循環機3台のうち1台あるいは2台が停止される試験が2002年から2005年に実施され、全3台を停止する試験が2006年以降に計画されている。本報は、安全性実証試験における循環機1台あるいは2台停止時の加圧水冷却器の構造健全性を確認するとともに、循環機3台停止時の1次系内の自然対流発生の可能性について、出力上昇試験中に実施されたスクラム試験の実測データをもとに検討した結果を示す。
橘 幸男; 中川 繁昭; 竹田 武司; 七種 明雄; 古澤 孝之; 高松 邦吉; 沢 和弘; 伊与久 達夫
Nuclear Engineering and Design, 224(2), p.179 - 197, 2003/09
被引用回数:13 パーセンタイル:64.64(Nuclear Science & Technology)HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験は、高温ガス炉固有の安全性を実証するとともに、高温ガス炉用安全解析コードの検証に必要な炉心及びプラントの過渡挙動データを取得するために実施される。第1段階の試験として、制御棒引抜き試験及び1次系流量低下試験を行う。制御棒引抜き試験では、16対の制御棒のうち中央の一対を引き抜くことで反応度投入事象を模擬する。1次系流量低下試験は、循環機停止試験と流量部分喪失試験からなり、それぞれ、循環機の停止(循環機3台中1台又は2台の停止)あるいは自動制御系により流量低下事象を模擬する。制御棒引抜き試験及び循環機停止試験は、予想される過渡現象でスクラムできない事故、いわゆるATWSを模擬したものである。
橘 幸男; 中川 繁昭; 伊与久 達夫
Proceedings of International Conference on Global Environment and Advanced Nuclear Power Plants (GENES4/ANP 2003) (CD-ROM), 8 Pages, 2003/09
高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた安全性実証試験は、高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証するとともに、高温ガス炉の安全評価用解析コードの検証及び高度化に役立つプラント過渡データを取得することを目的として実施する。安全性実証試験は、運転時の異常な過渡変化を模擬する第1期の試験及び、減圧事故等の事故を模擬する第2期の試験からなる。第1期の試験は、反応度投入事象と1次冷却材流量低下事象の模擬であり、平成14年度から開始している。平成14年度は、原子炉出力50%からの制御棒引抜き試験及び、原子炉出力30%から3台のヘリウム循環機のうち1台を停止する試験を実施した。同時に、プラント動特性コードACCORD,モンテカルロコードMVP等を用いた解析を進めている。第1期の試験は平成17年度まで実施し、平成18年度から第2期の試験を実施する計画である。
橘 幸男; 中川 繁昭; 竹田 武司; 七種 明雄; 古澤 孝之; 高松 邦吉; 西原 哲夫; 沢 和弘; 伊与久 達夫
JAERI-Tech 2002-059, 42 Pages, 2002/08
本報告は、高温工学試験研究炉(HTTR)の安全性実証試験計画について、特に、早期に実施する試験項目に重点を置いてまとめたものである。早期に実施する試験は、異常な過渡変化に相当する試験として実施する制御棒引抜試験及び1次冷却材流量低下試験である。制御棒引抜試験では、炉心中央位置の制御棒1対を引き抜くことにより、反応度投入事象を模擬する。また、1次冷却材流量低下試験では、循環機の停止(循環機3台中1台または2台の停止)あるいは自動制御系により流量低下事象を模擬する。これらの試験の結果を踏まえ、さらに、冷却材喪失事故等を模擬した試験を計画しており、現在、検討をすすめている。試験で得られた実測データは、炉心動特性コード,プラント動特性コード等の安全評価コードの高精度化と検証に利用でき、国内外の将来高温ガス炉の安全設計・評価技術の確立に活用することができる。
大貫 晃; 秋本 肇
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(11), p.1021 - 1029, 1999/11
被引用回数:1 パーセンタイル:13.15(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所で実施した大型再冠水試験では高出力集合体での熱伝達が促進した。ある半径方向出力分布のもとでの炉心熱伝達の促進はPWR-LOCAにおける安全裕度を定量化するうえで非常に重要である。本研究では、多次元二流体モデルコードREFLA/TRACにより大型再冠水試験の結果を解析することにより熱伝達促進現象を引き起こす物理機構を分析した。熱伝達の促進は炉心内循環流の形成により生ずる局所液流速の増加に起因し、その循環流は半径方向出力分布により形成されるクエンチフロント下側での水頭の半径方向分布により生ずる。熱伝達促進現象を高精度に予測するための解析上の指針を提示した。
丸山 結; 柴崎 博晶*; 五十嵐 実*; 前田 章雄; 原田 雄平; 日高 昭秀; 杉本 純; 橋本 和一郎*; 中村 尚彦*
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(5), p.433 - 442, 1999/05
被引用回数:9 パーセンタイル:57.31(Nuclear Science & Technology)原研の配管信頼性実証試験(WIND)計画において、軽水炉のシビアアクシデント時における原子炉冷却系配管内壁へのエアロゾル沈着挙動を明らかにするためにエアロゾル沈着試験を実施した。本試験では、水平直管から成る長さ2m及び内径約0.1mの試験部にヨウ化セシウムエアロゾルを導入した。高温の過熱蒸気雰囲気下においてもヨウ化セシウムの著しい分解は観測されなかった。本試験及びWINDFLOWコードを用いた熱流動解析の比較から、ヨウ化セシウムの空間沈着分布が自然対流に起因する二次流れの形成に強く影響されることが明らかとなった。主要沈着メカニズムは、エアロゾル搬送気体、試験部内壁の温度及び両温度の差に依存するヨウ化セシウム蒸気の凝縮及びエアロゾルの熱泳動であると評価した。
國富 一彦; 橘 幸男; 本谷 浩二*; 中野 正明*; 七種 明雄; 竹田 武司; 伊与久 達夫; 石仙 繁; 澤畑 洋明; 大久保 実; et al.
JAERI-Tech 97-040, 91 Pages, 1997/09
高温工学試験研究炉において、非核加熱で1次ヘリウムガスを約110Cまで昇温させる試験を実施中に、スタンドパイプ内雰囲気及び1次上部遮へい体の温度が測定以上に上昇した。そこで、その原因を解析及び試験により特性するとともに、スタンドパイプ内構造物の一部構造変更により、温度上昇を防止する対策を定めた。また、対策に伴う構造変化により、炉内の流量配分に悪影響が無いこと、制御棒ワイヤーと改造後の構造物の接触が無いことを確認した。本報は、昇温の原因、構造変更の内容、構造変更による影響評価の結果を示したものである。
秋本 肇; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(4), p.290 - 297, 1996/04
被引用回数:3 パーセンタイル:32.66(Nuclear Science & Technology)加圧水型原子炉の大破断冷却材装置事故のシステム解析において、凝縮モデルの問題のためTRAC-PF1コードは非現実的な減圧を予測し多大な計算時間を必要とする。コールドレグに生成される凝縮二相流に対する計算を安定化するために、コールドレグ部の凝縮量総量を蒸気発生器側から流入する蒸気流量以下に制限する簡易凝縮モデルを開発した。円筒炉心試験、上部プレナム試験及びLOFT試験データを用い性能評価結果から、簡易凝縮モデルは計算を安定化し計算時間を短くすること、また、凝縮速度の過大評価による非現実的な減圧がなくなることで加圧水型原子炉の大破断冷却材喪失事故のシステム解析の予測精度を改善することが検証できた。
大貫 晃; 秋本 肇; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(3), p.245 - 256, 1995/03
被引用回数:1 パーセンタイル:17.52(Nuclear Science & Technology)二流体モデルに基づく最適評価コードの一つであるREFLA/TRACコードのPWR小破断LOCA(SBLOCA)解析に対する予測性能を評価した。主な評価課題は、低圧低流量条件で検証されたREFLA/TRACコードが高圧低流量条件でSBLOCAに対し、適用できるか否かを調べることであった。評価計算はROSA-IV LSTF試験SB-CL-05(コールドレグ5%破断試験)を対象に行った。評価した結果、REFLA/TRACコードはオリジナルのTRAC-PF1コードと同等以上の予測精度で小破断LOCA解析に適用できる事を確認した。特に炉心内の水力モデルは高圧条件下であっても高い適用性を有する。炉心露出のタイミングを精度よく予測するためには、適切な臨界流モデルを使うと共に、二相流下でのポンプでの圧力損失を精度良く予測する必要がある。
秋本 肇; 大貫 晃; 村尾 良夫
JAERI-M 94-037, 66 Pages, 1994/03
REFLA/TRACコードは、軽水炉内の熱水力挙動解析のために原研で開発を進めている最適予測コードである。REFLA/TRACコードは米国で開発されたTRAC-PF1/MOD1コードを骨組みとし、再冠水モデル、凝縮モデル、界面摩擦モデル等を原研で改良したものである。これまでに改良モデルの妥当性を種々の分離効果試験データを用いて検証してきた。本報告はPWR大破断LOCA事象に対する予測性能をLOFT L2-5試験データを用いて総合的に評価した結果をまとめたものである。計算結果と測定結果とを比較検討した結果から、REFLA/TRACコードにより、破断流量、非常用炉心冷却水のバイパス量、被覆管温度履歴等の主要なパラメータを良好に予測できることがわかった。その結果、REFLA/TRACコードによりPWR大破断LOCA時のシステム内熱水力挙動を安定かつ高速に実用上十分な精度で予測できることを確認できた。
丸山 創; 藤本 望; 数土 幸夫; 村上 知行*; 藤井 貞夫*
Nucl. Eng. Des., 152, p.183 - 196, 1994/00
被引用回数:15 パーセンタイル:75.28(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)は、原子炉出口冷却材温度950C、熱出力30MWの我が国初の高温ガス炉である。本報は、HTTRの炉心熱流力特性評価に関連する設計方針、解析コードの検証を含めた評価手法、原子炉出口冷却材温度950Cを得るための設計対応及び評価結果についてまとめたものである。通常運転時の炉心有効流量は全流量の約88%となり、これを用いて評価した燃料最高温度1492Cは、被覆燃料粒子の健全性の観点から定めた主要な熱的制限値1495Cを下回っている。
秋本 肇; 大貫 晃; 村尾 良夫
JAERI-M 93-240, 83 Pages, 1993/12
加圧水型原子炉冷却材喪失事故再冠水時の炉心内熱水力挙動に対するREFLA/TRACコード1次元再冠水モデルの予測性能を評価するために、小型再冠水試験、平板炉心試験及び円筒炉心試験から選んだ12の試験を対象として、試験後解析を行った。炉心入口サブクール度、炉心冠水速度、装置形状、炉心出力、系圧力、初期被覆管温度等のパラメータ効果を含め、炉心ボイド率分布及び被覆管温度履歴をREFLA/TRACコードにより良好に予測できた。最高被覆管温度は50K以下の誤差で予測できた。これらの評価結果により、加圧水型原子炉冷却材喪失事故再冠水時に想定されている種々の条件において、REFLA/TRACコードにより炉心内熱水力挙動を精度よく予測できることを検証できた。
秋本 肇; 大貫 晃; 阿部 豊*; 村尾 良夫
JAERI-M 93-045, 126 Pages, 1993/03
加圧水型原子炉(PWR)冷却材喪失事故(LOCA)再冠水時におけるTRAC-BF1コードの炉心熱水力モデルの予測性能を評価するために、円筒炉心試験と平板炉心試験から選んだ6試験に対しての試験後解析を行った。TRAC-BF1コードの相関式パッケージをTRAC-PF1に組み込んだ特別バージョンのTRACコードを原研で開発し、本評価に用いた。TRAC-BF1モデルは、炉心下部と炉心上部のボイド率を良好に予測し、炉心中央部のボイド率を過大評価した。また、炉心中央部の被覆管温度を過大評価した。実験データを与えて、TRAC-BF1コードの流動モデルと熱伝達モデルを個別に分析した結果から、TRAC-BF1コードをPWRのLOCA時再冠水の解析に適用するためには今後以下のモデルの改良が必要なことがわかった。(1)気泡流/スラグ流と環状噴霧流との流動様式遷移を生じる際のボイド率予測モデル(2)膜沸騰熱伝達モデル、特にクエンチ点からの距離に対する依存性。
秋本 肇; 大貫 晃; 阿部 豊*; 村尾 良夫
JAERI-M 93-028, 252 Pages, 1993/03
REFLA/TRACコード整備の第一段階として、TRAC-PF1コードの予測性能の把握と問題点の摘出を目的として、PWRの大破断LOCA実験を対象とした予測性能評価計算を行った。評価計算は、個々の現象に対する予測精度を把握するために、総合試験とともに臨界流、対向流、コールドレグ部の凝縮及び再冠水を対象とした分離効果試験に対しても行った。本報告書は、その評価計算結果をまとめたものである。評価計算の実施により、PWR大破断LOCA時の主要な現象に対するTRAC-PF1コードの予測性能と問題点を把握できた。より精度の高い計算を効率よく行うためには(1)ブローダウン期の炉心内熱伝達モデル(2)ダウンカマにおけるECC水バイパスモデル(3)蓄圧注入系作動時の凝縮モデル(4)再冠水時の炉心熱水力モデルの見直しが必要であることがわかった。
大貫 晃
JAERI-M 92-150, 134 Pages, 1992/10
本研究では、PWR-LOCA時の熱水力挙動を最適予測コードにより高精度に予測する際、その予測精度に問題のある低流速の二相流に関する課題を取り上げ、研究を行った。その課題とは、(1)再冠水期における高出力集合体での熱伝達促進現象の予測、(2)従来の再冠水期炉心内熱水力モデルの1717型集合体への適用性の評価、及び(3)ホットレグ内対向流制限現象のモデル化、であった。得られた成果は以下のとおりである。(1)(1)に関しては、まず熱伝達促進現象の解析に必要となる液流速効果を考慮した膜沸騰熱伝達モデルを開発し、このモデルを組み込んだ最適予測コードREFLA/TRACによる解析により同現象の定性的なメカニズム及び定量的に予測するための問題点を明らかにした。(2)(2)に関しては、従来の各モデルの誤差範囲内で適用可能であることを示した。(3)(3)に関しては、実炉スケールにまで適用可能な界面せん断力モデルを開発した。
稲垣 嘉之; 國富 一彦; 宮本 喜晟; 井岡 郁夫*; 鈴木 邦彦*
Nuclear Technology, 99, p.90 - 103, 1992/07
被引用回数:9 パーセンタイル:65.12(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)の炉床部における冷却材の混合及び流動特性を把握するため、HTTR炉床部の実寸大モデルであるHENDEL炉内構造物実証試験部(T試験部)を用いた混合実験と3次元熱流体解析コードSTREAM(-2方程式乱流モデル)による解析を行った。実験は、中心1領域又は周辺2領域のヘリウムガス温度を他領域のヘリウムガス温度よりも高く設定し、高温プレナム及び出口管内での温度分布を測定した。その結果、ヘリウムガスは炉床部及び出口管内でよく混合され、HTTRの下流に設置された中間熱交換器等は、ホットストリークの影響をほとんど受けないことを確認した。解析結果は、高温プレナム及び出口管内の温度分布を定性的及び定量的によく再現しており、解析コードの有用性を確認した。
大貫 晃; 秋本 肇; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(3), p.223 - 232, 1992/03
PWRホットレグでの気液対向流制限に対する二流体モデルコードのための界面せん断力モデルを、大貫らによる対向層状流での界面せん断力モデルをベースに開発した。まず、定常の包絡線モデルにより検証された大貫らのモデルが二流体モデルコードによる動的な計算において有効に機能するか否かを、代表的な二流体モデルコードであるTRAC-PF1/MOD1を使い解析した。その結果、大貫らのモデルはホットレグ内スラグ流での適切な界面せん断力モデルと組み合わせる必要のあることがわかった。ホットレグベンド部でのモデル及びホットレグ水平管内でのまき波領域に対するモデルをスラグ流モデルとして提案した。種々のスケール、圧力及び流体の種類(内径:0.025-0.75m、圧力:0.1-7.1MPa、空気-水または蒸気-水)のもとでの実験データにより本モデルを検証し、本モデルの有効性を確認した。
丹沢 貞光; 小林 晋昇; 藤城 俊夫
JAERI-M 91-215, 40 Pages, 1992/01
本報告書は、反応度事故条件下の燃料挙動に及ぼす冷却材/燃料比の影響を調べるために、大気圧室温及び静水条件下で試験燃料のまわりに冷却材の流路を設けて行なった燃料照射実験の結果をまとめたものである。実験は、大気圧カプセルを使用し、単一試験燃料棒のまわりに円形または四角形の流路管を取り付け、試験燃料と接触する冷却材を制限することにより行なった。実験条件としては、冷却材/燃料比を変えるために14mm、16mm及び20mmの円筒形あるいは対面距離14mmの四角筒形の流路管を取り付け、発熱量は約150cal/g・UOから400cal/g・UOまで変化させた。この結果、試験燃料に流路管を取り付けた場合、流路管を取り付けない標準条件における実験の場合と比較して、被覆管表面の最高温度はあまり変わらないが、下流側では膜沸騰持続時間が長くなり、また、破損しきい値が約30cal/g・UO低くなる等、冷却材/燃料比が反応度事故条件下の燃料挙動に大きな影響を与えることが判明した。
稲垣 嘉之; 鈴木 邦彦; 井岡 郁夫*; 國富 一彦; 宮本 喜晟
日本機械学会論文集,B, 57(542), p.3520 - 3525, 1991/10
高温工学試験研究炉(HTTR)の炉床部における冷却材の混合及び流動特性を把握するため、HTTR炉床部の実寸大モデルであるHENDEL炉内構造物実証試験部(T試験部)による混合実験と3次元熱流体解析コードSTREAM(k-乱流モデル)による解析を行なった。実験は、炉心の中心1領域又は周辺2領域を加熱した場合について行い、高温プレナム及び出口管内の温度分布について解析結果と比較検討した。中心領域を加熱した場合は、高温プレナム内で冷却材が十分に混合され、出口管内でホットストリークは生じていない。また、周辺領域を加熱した場合は、高温プレナム内での混合が不十分でホットストリークが生じるが、出口管内での混合により、中間熱交換器等はホットストリークの影響をほとんど受けないことを確認した。解析結果は、高温プレナム及び出口管内の温度分布を定性的及び定量的によく再現しており、解析コードの有用性を確認した。